楽譜を見ながら弾けようにするには?(読譜できない子供のレッスン)
** 読譜力の大切さ **
小さなお子さんでお母さんが楽譜を読み、ピアノを弾きながら教えているということがあります。
こうした場合、暗譜は得意なようですが、それが習慣付き、楽譜を見て弾くということができなくなってしまっているようです。
これでは大曲になってくると不安要素も多くなり、ピアノの楽譜を少しずつ読譜できるよう練習させても、覚えてしまうとついつい暗譜で手を見て弾いてしまうのです。
ですが、ピアノを演奏していく上で、楽譜を見て弾けることも、暗譜で弾けることも、どちらも大切な能力ですので、両方をバランスよく伸ばしてあげるようにしたいところです。
楽譜を見て弾くことが苦手だとレパートリーが広がらないという問題点もあります。
音楽教育では耳を育てることが最も大切ですが、読譜力をつけることも同じくらい重要です。
楽譜を見て弾くことを得意にするには習慣化するしかありませんが、具体的な練習方法としては、手を見なくても弾けるような曲を数多く練習するという方法があります。
曲が難しいとピアノの練習時のストレスが強くなりすぐに疲れてしまいます。
長時間ピアノを弾き続けることが難しくなるので、あまり難易度の高くない曲のほうがおすすめです。
練習量が増えてくると、手が鍵盤に馴染み、不思議と手を見なくても弾ける部分が増え、楽譜に目がいくようになります。
丁寧な読譜練習を導入期から取り入れていきたいものです。
** 読譜の基礎力が上がると表現力も身につく **
また、積極的に音楽表現ができる音楽性豊かな人は往々にして、“読譜→即表現”と、ストレートにもっていこうとする傾向にあります。大切なテクニックを忘れがちになることもあるので、教材の「音の循環」にある“1音1音の意識”からスタートしていきましょう。
そして、基礎力でもある読譜力を育てると、初見力もつき、暗譜力もついてきます。
さらには、音楽的演奏に欠かせない「表現力」も身につきます。
まず音符を素早く、かつ正確に読む力を育てるために、基礎的な能力としてソルフェージュ力が重要です。初見で演奏してもスラスラ弾けるよう、初めて見る楽譜でのソルフェージュ力も伸ばす必要があります。
音読(ソルフェージュ)でメロディーを耳から覚え、聴音で和音感覚を身につけます。
曲数をこなし「語彙」を増やしていきます。
曲の内容を理解し、ここでは何を表現したいのかという部分まで踏み込んでいかなければいけません。
読書をするのと同じで、「文字は読めたけれども、内容が理解できなかった」というのでは、きちんとした演奏にはならないのです。
それには、テキストの選び方や指導者の与え方が決め手となります。
また、小中学生を対象に国語教育の一環として行われている「毎日の朝読」は、量をこなすことにより文字や単語に対する反応をよくする狙いがあります。
反応が良いとストレスが軽減され、内容が理解しやすくなり、記憶も定着しやすくなります。
ピアノの教育も同じように考えるとよいでしょう。
読譜力も暗譜力も継続的にバランスよく伸ばしていくようにしましょう。